第2回ミスティックブルー

f:id:pseudo_twoconsecutive_fake:20161028152817p:plain

パチンコ界に燦然と輝く一大ブランド『海物語』。複雑に多様化する現代社会においては、その影響力も多少の翳りが見えるものの、その偉大さは色褪せることはない。

それは今でも脈々と受け継がれている演出体系にも顕著で、演出の大綱を分別するにあたり『海系』とカテゴライズされる勢力が未だにトレンドとして多く採用されている事実からもわかる通りである。

そして「ミスティックブルー」である。

絵に描いたような『海系』で、舞台設定も海である。これにはもちろんメインキャラクターとして採用された吉岡美穂の存在が大きく関与しているのは明白だ。「癒し系」と呼ばれ、高身長でスレンダーな肉体性を惜しげなく披露したキャンペンガールやグラビアモデルとしてのキャリアから内的形象された“海”であろう。

また、オマージュという名の模倣、無機質な画一化に堕することなくアクセントとして若干の「エヴァ」的要素をアレンジしたのはSANKYOの矜持の表れでもある。

とはいえ、構成概念上その妥当性を正当づけられるべき「シンプルさ」が、低廉とも取られかねない牧歌的な内容に見えてしまうのは、もはや極限にまで達した演出超過時代に生きる私たちの業ゆえか?

しかしながら、演出のひとつひとつには並々ならぬ強烈な独自性の発露が垣間見える。容姿端麗なグラビアアイドルらしくウミガメやサンゴと戯れるかと思いきやヘリコプターが墜落したりダイビングの最中にサメに襲われるなどスリリングな展開に発展する。

極めつけは、スカイダイビングに興じる吉岡美穂が島の原住民に弓矢で打たれるのである。ここにいたっては、もはや私は鋭気に富んだ天才性を感じずにはいられない。そして、私には種属、生態、時間軸を超越して想起されるある個体が頭を支配した。『浜崎あゆみ物語』である。

ともあれ、この研究において一番の難局となる、大当り告知時にしか実写が活動しない大当りラウンドを含めた確変・時短中行動内容の確認作業も無事完了し、本個体に関してひと通りの調査を終えた。

ただ、今回調査に訪れた地域には好奇心という名の学者魂の琴線をかき乱してやまない個体が生息していた。もちろん、私は「ミスティックブルー」によって調達確保できた出玉を持って、さらなるフィールドワークへと乗り出した。

ミスティックブルー(パチンコ界CR門デジパチ綱SANKYO目ビスティ科確変ループ属タイアップ種)
カテゴリー:近絶滅種
生息地域:3店舗(P-WORLDによる)

 

f:id:pseudo_twoconsecutive_fake:20161028153113p:plain